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鋼材とアルミ材の選定について
鋼材とアルミ材の選定
鋼材とアルミ材の製品への応用
製品への応用において、鋼材とアルミ材はそれぞれ独自の市場を確立していますが、近年、カーボンニュートラルの取り組みが加速する中、多くの設備や製品において、従来の鋼製部品をより軽量なアルミ材へと置き換える動きが広がっています。
しかし、これら二つの金属には決定的な違いが存在します。ここでは、鋼材とアルミ材の最も重要な物理的性質について比較・検証します。
1.重量:
同一素材・同一体積において、鋼材の重量はアルミ材の約3倍に達します。これは、鋼材の強度がその高い密度によって支えられているためです。しかし、アルミ材はその軽量という優位性により、設備の稼働負荷を軽減し、電力や燃料の消費を抑えることができます。これにより、設備効率の向上と二酸化炭素排出量の削減が可能となります。
2.強度
強度は、特に高強度が必要とされる用途において、部品の将来的な使用ニーズに基づき、まず検討すべき機械的性質の一つです。一般的に、鋼材はアルミ材よりも高い強度を有しています。しかし、軽量化を実現したい場合、同じ重量比で比較すると、鋼材の強度はアルミ材を下回ります。したがって、製品設計においては、各部品の用途に応じて最適な素材を選択する必要があります。例えば、軽量化が求められる大型部品では、従来の鋼材に代わってアルミ材を採用することが有効です。
3.延展性
鋼材は強度が高いため、さまざまな形状に加工するには通常、多大なエネルギー消費(電力や熱エネルギーなど)を必要とします。複雑な形状の場合、より高い熱エネルギーが必要となり、それが機械的性質を損なう要因となることも少なくありません。また、エネルギー消費量が多いことから、将来的な炭素税や二酸化炭素排出量の問題に直面し、コストが相対的に増加する懸念もあります。一方、アルミ材は常温・高温のいずれにおいても比較的成形しやすく、押出加工や鍛造加工などのプロセスに非常に適しています。
4.熱伝導性
アルミは鋼材よりも熱伝導性に優れており、エンジンフードやラジエーターなど、放熱や熱配分が必要な用途に広く用いられています。
5.耐食性
一般的な鋼材は耐食性が低く、錆びが発生しやすいため、外部環境にさらされると腐食が進行し続けます。一方、アルミ材は表面に保護性の高い酸化皮膜を形成し、それが不活性なバリアとなってさらなる酸化反応を防ぎます。アルミ材を腐食分解させるような極端な環境でない限り、優れた耐食性を維持し続けることができます。
6.コスト
材料のコストは、プロジェクトで使用する金属を選択する際の極めて重要な要素です。一般的に、重量あたりの単価で比較すると、炭素鋼の価格はアルミニウム合金よりも低く抑えられています。
鋼材とアルミ材、どちらを選ぶべきか?
素材の選定においては、部品に求められる特性、成形方法、そして予算が主要な検討要素となります。例えば、設計において強度と耐久性が最も重要であり、かつ形状がそれほど複雑でない場合は、鋼材が最適な選択肢となります。一方で、重量を抑えつつ強度を確保したい場合や、耐食性、独特な形状、さらにはアルマイト処理などの美観を重視した表面処理が必要な場合には、アルミ材がより適しています。